愛媛県松山市が2017年の愛媛国体までの完成を目指す椿の湯別館の建設予定地(道後湯之町)で実施した埋蔵文化財の試掘調査で、弥生時代のつぼなどが見つかっていたことが24日、分かった。市は4月以降、発掘調査を行う予定で「調査は着工までに終了する見込み」とし、工期に影響はないとみている。
 予定地は椿の湯西側に隣接する約1450平方メートルで、試掘は15年9月~16年2月に計7カ所(各2~3平方メートル)で実施。3カ所から弥生前期とみられる高さ約20センチのつぼ1個や、約2~5センチの弥生時代や中世とみられる焼き物の一部二十数点、柱跡とみられる二つの穴が出土した。
 市は予定地南西部の約500平方メートルに埋蔵物がある可能性があるとみて、4月以降、建物が立つ約400平方メートルを発掘調査する。
 試掘した市埋蔵文化財センターは「出土品のほとんどは小さくて判断がつきにくいが、湯築城跡に関連する遺跡ではないか」とし、市教育委員会文化財課は「過去に何があったのかを記録保存するための調査。道後の歴史を裏付けるものであれば、さらに価値が高まる」としている。